演出ノート 2000

LAST UPDATE: 11.07.2004
1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005


2006


2007


2008


2009


2010


2011


2012


2013


2014

桜の森の満開の下

  戦後の人気作家、坂口安吾の代表作のひとつ。虚無の極北の作品と評される。
「 満開の桜の樹の下は恐ろしいと知りながらも、その場所に近づくことを望む男の心。男の前に現れる女。 その美しさに心奪われながら、その限りない欲望に翻弄され身もだえる男。女は姿を変え男に襲いかかる。果 たして女は鬼であった。」
  今回は「桜の森の満開の下」を素材として、A.C.O.A.ならではの肉体表現を取り入れ、独特の舞 台空間を創り上げます。この作品の登場人物は男と女ですが、人間の中に混在する二面性ととらえることも出 来ると思います。誰もが持っている心の中の男性的な部分と女性的な部分。両者が相見えたときの葛藤。相対 する資質が火花を散らしながら向き合っている様を舞台に起こしたいと思います。

2000年4月 『桜の森の満開の下』当日パンフより

バーサよりよろしく

 病や老いといった回避できない人生の問題に向かったとき、 それでも生きる時間を生き抜くために人間はどういった行動を取るのでしょうか。 あたかもそういった問題が無かったように自分をだましたり、過去の幻影にすがって生きるのも人間の儚さゆえです。
  病や老いといった、自らでコントロールできない人生上の危険に直面したバーサの内部が、 過去と現在、幻想と現実、死と生に否応なく引き裂かれていく様、その裂け目を表現することを舞台の基本構造にしたい。

2000年8月 『バーサよりよろしく』当日パンフより